西村幸生と沢村栄治

先日、伊勢市にある鰻の「喜多や」へ立ち寄った。
ここは、ただの鰻屋ではない。西村幸生投手の生家である。
三重県で有名な大投手といえば、野球殿堂入りした沢村栄治・西村幸生・中尾碩志になるが、巨人にいた沢村と中尾に比べ、阪神にいた西村の知名度はそれほどでもない。
いわゆる巨人ブランドの影響力と西村が阪神を自ら退団しているのがその理由なのだが、実際は西村も、沢村と遜色のない数字を残している。昭和12年から昭和14年にかけては、阪神西村、巨人沢村がそれぞれエースとして君臨していたわけであり、彼ら2人なくして、現在のプロ野球の繁栄はなかったと言っても過言ではない。

私も、「喜多や」を知ったのが数年前で、伊勢へ行ったら立ち寄ろうと思いながら、ようやくにして行くことができた。老舗だけあって、鰻の焼き具合が絶妙であり、伊勢地方特有の甘辛いたれをごはん全体にまぶしてあるうな丼は、美味である。
来店すれば、記念品として西村投手生前最後の手紙のコピーをもらうことができる。

店内には、巨人と阪神の選手たちが映った大きな白黒写真が飾ってある。西村幸生本人がおらず、戦後にプロへ入った別当薫が映っていたので聞いてみると、戦後の写真で、西村幸生と沢村栄治の追討試合を伊勢市の倉田山球場で行った際の記念撮影だという。戦後間もなくの時期に、巨人・阪神の名選手たちが一堂に揃ったこの写真は、貴重である。

帰って調べてみると、1948年3月30日に西村幸生・沢村栄治追討試合としてオープン戦で巨人×阪神戦が行われていた。そのときの写真だったのである。
西村が仮に巨人に入っていて、沢村が阪神に入っていたとしたら、今頃、先発完投型の投手に贈られる賞は「西村賞」になっていたんだろうな、と私は、久しぶりにプロ野球の歴史を顧みてしまった。

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